米住宅市場の冷え込み、当面継続か

金利低下は住宅を購入する理由になる。だが米国では、そのほかのあらゆる要因によって購入を決める理由が薄れている。

全米不動産協会(NAR)が22日発表した先月の中古住宅販売件数は年率換算で499万戸と、前月比6.4%減少した。この減少幅は3年余ぶりの大きさ。エコノミスト予想の1.3%減より大幅に落ち込んだ。

 住宅市況の回復もないとはいえないが、その勢いに最も弾みがついていた日々は過ぎ去ったに違いない。先月は買い手にとって金利が有利になったにも関わらず、販売は冷え込んだ。米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)によれば、2018年12月末時点で30年物・固定金利型住宅ローンの平均金利は4.55%と、11月上旬の4.94%より低下。

 一部には金利低下が住宅販売を後押しするとの見方もあるが、やぶから棒に低金利になるわけではない点に留意したい。金利が下がるのは米国経済への警戒感と、それに伴う株安の反映だ。この種の物事は、大きな買い物に対して消費者に二の足を踏ませがちだ。

中古住宅販売件数は売買手続きの完了を基に算出されていることも重要だ。つまり12月の住宅販売は、金利が高かった同月以前に家を探し、契約された分が大多数を占める。

それでも、1月の住宅市場の回復はなさそうだ。米政府機関の一部閉鎖によって約80万人の連邦職員が自宅待機か、無給勤務を強いられている。多くの職員にとって住宅購入は最優先事項ではなさそうだ。政府の下請け業者も同様だろう。

将来の住宅市場にとってさらに大きいのは、持続的な値上がりによって手が届かなくなる人が増えていることだ。税制改革により、賃貸に比べた持ち家の有利さも薄れた。ミシガン大学の消費者調査によると、住宅購入に適した時期だと考える世帯の割合は、08年以来の低水準に沈んだ。

ただ、必ずしも「終わり」が迫っているわけではない。数週間で政府閉鎖が解消され、米国経済が閉鎖の影響をしのぐことができると想定すると、金利低下がますます意義を持つようになり、それに住宅販売も応じるだろう。そうなれば一安心だが、恐らく市況回復への新たな序章の先触れとはいかないだろう。

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